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               ICHIRO TSURUTA
 
唯一無二の線を捜し求める。あたかもそれは最初から定められてでもいたかのような、徴塵の迷いも感じさせない鋭さと、美とを定着させる力とを持った絶対なる線を。幾度となく描いては消し、その繰返しの中からやがて求める線が朧気に見えてくる。しかし限りなく近づいたと思えたその一瞬の後には、その線は突然ゆらぎ始め、曖昧なる迷宮の彼方へと消え去ってしまう。そのゆらぎの迷宮の中へは、いくら踠こうとも、私の力はもう遠く及ばない。再びその真実の線を発見するには、何か私自身以外の力が必要となってくる。その何物かの力を借り、身を委ねるしか、真実の線を手に入れる方法はないのである。
 
 
               
 
             
 
             
 
             
 
             
 
             
 
             
 
             
 
             
 
                  
 
                  
 
                  
 
                  
 
                  
 
                  
 
                 